お客様がご到着されてからご出発までの間、快適にお過ごしいただけるように身の回りのお世話をいたします。お泊りいただくお部屋にお花を生けてお迎えする準備をしたり、お抹茶を立ててご到着の時にお出ししたり、お食事のお世話をしたり、お客様と接する時間が最も長い仕事です。そのため、旅館の満足度や印象に大きな影響を与える、加賀屋の中でも一番重要なポジションと言えます。お客様とのさりげない会話からご要望をキャッチし、喜んでいただけるように努めています。細やかな心配りが必要となるぶん、お客様と喜びや感動を共感できるやりがいのある仕事です。
挨拶が飛び交う社風で、先輩からも自分の仕事に対して「ありがとう」と言ってもらえるのは嬉しいです。お客様に客室係の1人としてではなく私の名前を覚えていただいたり、お声がけしていただいた時は喜びを感じます。毎年夏にご家族でお越しになるお客様がいらっしゃいますが、昨年ご主人様を亡くされて、今年は一緒に来ることができなかったというお話をうかがいました。ご夕食時にご主人様のお料理を追加して陰膳をご用意させて頂いたところ、奥様は涙を流して感激して下さいました。心を込めてサービスさせて頂くことに、心からやりがいを感じました。
日本人として日本に生まれたからには和の文化を身につけるべきだと思い旅館を視野に入れました。ホテルやブライダルなど接客・サービス業はよく見ていたのですが、東京にいた時も「加賀屋」の名前はよく聞いていて、有名な企業で働けるのはやりがいにつながると思いました。また、加賀屋は旅行新聞新社様の「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で連続で総合日本一にも選ばれていて、この会社ならおもてなしの基礎や行儀作法を徹底的に学べると思いました。どこでも通用する能力やおもてなしの心が学べる場所を探してるうちに加賀屋にいきつき、入社を決意しました。
最初は石川に固執する感じではなく、東京で企業説明会がある会社には顔を出したりして視野を広げるようにしました。学生時代の友人はみな東京に残ったので「1人だけ帰るのも」というのもあったり、在学地である東京での就職と地元石川県での就職は迷いましたが、身近に家族がいるというのは精神的な支えになりますし、加賀屋に入社すれば、北陸新幹線開通で盛り上がるなか地元にも貢献できると思いました。休日一緒に過ごしたり旅行に行ったりするなど、学生時代にできなかった親孝行ができるのもUターンしてよかったことの1つです。